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Hunting High 一(はじめ)ての”殺し”

   

UB1ウマバーに珍しい友人が来た。甲斐犬という弥生時代から日本人にお付き合いしている日本古来の狩猟犬が15匹。

通勤ラッシュ並み、荷台の甲斐犬15頭

お供の神山に住む東京時代の友人IKUKOと師匠と呼ばれるハンターのお爺ちゃんと一緒に、ウマバ〜西山の山にいる130キロ級のまさに山鯨と呼べる大物の狩りに来た。

脳内麻薬みなぎる崖の上の秘密基地

崖の上の秘密基地は雲の中

手引をしてくれたのはお隣の集落、洞草のニイさん。前回来た時に気が合うだろうと引き合わせた、ニイさんの断崖の上の秘密基地でこの話になり、盛り上がってしまったわけ。セラトニンだか、アドレナリンだかの脳内麻薬充填200%状態をキープしているIKUKOの為せる業だ。
当日は朝からずっと雨。ウマバの山は雲の中。このためにわざわざ東京から来たTORUさんも加わって、ニイさんの手作り秘密基地で狩りのタイミングをはかる。ニイさの奥さんが作ってくれた餅とワインをやりながらすでに打ち上げモードなのはご愛嬌。ここで飲む酒は美味いんですわ。

UB1ウマバーにも負けない、ざ・絶景

17時過ぎ、ようやく雨もあがり、狩りのガイドをしてくれる西山の狩猟チームと合流。”これからマヂで狩るの?”といった面持ちの西山チームをよそにテンション高めの神山チーム。とりあえず(おしっこと)散歩がてらにウマバと洞草を隔てる谷の道路に犬を一斉に放ち、ま、狩りは明日だろうと地形の確認をしながらウマバの集落まで移動。15匹の狩猟犬?は、家畜やペットもいる集落内での自由行動は犬好きの僕でもさすがにビビる。「そろそろ荷台に乗っていただいたほうが・・・」とか言うか言わないうちに、犬たちが興奮しながら一斉に走りだした。内心”ヒエぇ〜、そっちは岡田サンちの牛が・・・!”、”ウォ〜、そこは森本さんちのお茶畑〜”とか焦りながらも、興奮してスタンピードと化した狩猟犬軍団を制御できるはずもなく必死で追いかけたのでございます。

そして・・・悲鳴(動画クリックは覚悟の上で…)

降りはじめた夜の帳を引き裂くような動物の鳴き声。たぶんアドレナリンが全身を駆け巡ったのだろう、そのときはIKUKOたちのことも山の地形も考えずに勝手に足が動いた。独り暗い森の枝をかき分け、雨でぬかるんだ土を叩き、悲鳴のほうこうへ降りると、ブッシュの中で必死で格闘する犬と猪。犬が冬の襦袢のように猪にまとわりついてる。この場面、どこかで観たことがある。そう、もののけ姫にでてくる森の主、祟り神のシーンだ。

そして・・・絶命

ウチのチビは軟弱なアイドル犬、猪を前に呆然・・

仕留めるのは人の役割。犬は噛み付いて離さないだけ。こうなると一刻もはやく仕留めるのが供養だろうと思える。狩猟チームは最後の一撃と血抜きを目にも留まらぬ速さで済ませ、猪をひきずり山から下ろし、もうすっかり夜の闇の中のUB1ウマバーに運ぶ。酒まつりで仕入れた三芳菊と狩猟チームが持ち込んだシシ鍋で一息つきついて、真夜中の解体。戴いた命をムダにしないためにもその日のうちにやっておく。ナイフで腹を裂き、チェーンソーで骨を断ち、1時間ほどで猪は4つの部位に分かれた。アドレナリンがまだ出ているのだろう、意外と平気な自分がいる。ストーブの載せたシシ鍋とテラスに横たわるさっきまで生きていた猪の対比は鮮烈な印象、だ。

手慣れた手つきで解体する師匠とIKUKO、と分け前を狙うカイくん

西山のハンターチームが持参した猪鍋をつつく

味噌仕立てでまろやかな味。猪肉も柔らかく、臭みも全く無い

命をいただく

100円ショップのトマトナイフで器用に皮を剥ぐ師匠

今の瞬間と狩りの現場の気分の落差は大きい。狩りの現場ではアドレナリン分泌のせいで憐憫の情もなく、高揚感の中、ただやるべきことをこなしていた。今はただ戴いたい命を大事に扱いたいと、師匠から30分習っただけの捌き方と100円ショップのトマトナイフで、猪の皮をはぐと肉の状態が素人の僕でもよくわかる。ピンクの綺麗な筋肉がある一方、犬に噛まれた痕は、痛々しくうっ血した血だまりになっている。知識はなくてもよくないことがわかる。さぞ痛かっただろうと思いながら、その部位を削ぐ。これから肉に塩をすりこみ熟成させ、地元の酒蔵”三芳菊”の酒粕に漬けた後、燻製かハムにしてみるつもりだ。

生きるということ

巻き込まれたTORUさん、アドレナリンIKUKO、パワフル師匠

殺した動物の肉をくらい、人殺しがそれぞれの正義の元と堂々と行われている世界の中で、僕らは日本の日常を組み立てている。直視しないですむ現実はバーチャルでしかない。それをやらないで済むとしたら、この世からおさらばするしかない究極の選択を迫られる。生きている限り僕らの生活は他の犠牲の上に成り立っている。だとしたら、その現実を肌身を持って知り、その命の尊さと人の傲慢さを認識すべきだ。人に理性があり理想に向かいたいならば、人も動物も社会も、生きている間は幸せに生きられる現実を考え抜き、創りあげることこそが使命だ。生きているのが厭になるほど自殺者の多い日本、生きる尊厳もなく飼われる家畜、人種や信条の違う他を貶めることでしか自分の正義とか伝統を表せない似非愛な人たち、世界規模で汚染される種や土壌、現実を認識し解決すべき問題は身近にあります、よ、おのおのがた。

神山へ帰りしな、テンションの低い”よしお”くん

狩ってもないのにドヤ顔の”ちび”さん

生から死。ハンティングから肉になるまでの動画。5分近くあり、観るには精神力が必要かと思われます!

 

 

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